【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(上) 有数の活火山を擁する 自然の宝庫
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(上) 有数の活火山を擁する 自然の宝庫 (1/5ページ)
2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島 鹿児島県の屋久島と奄美大島の間を縫うように点在している小さな島々がある。“日本最後の秘境”とも称されるトカラ列島(鹿児島県十島(としま)村)。絶海の島々が織りなすトカラの自然は多くの人を魅了してやまず、来年7月には今世紀最長の皆既日食も観測される。そんなトカラ列島を7月に訪れた。今回の写真劇場では、3回にわたってトカラの夏をお届けしたい。
■シーン1
間近にみえる諏訪之瀬(すわのせ)島から勢いよく噴煙が出ていた。
トカラ列島は、霧島・屋久島火山帯に属する火山列島だ。その中心にある諏訪之瀬島の御岳(おたけ、799メートル)は、江戸時代の1813(文化10)年に大噴火を起こした。今も火山活動は盛んで、1956(昭和31)年の観測開始以来、毎年のように噴火を繰り返す日本有数の活火山である。
鹿児島からフェリーで6時間あまり。ようやく列島北端の口之島(くちのしま)に到着する絶海のトカラは漢字で「吐●(●=口へんに葛)■(■=口ヘンに剌)」と表記するが、古くは日本書紀で、火を吐く「吐火羅」とも記された。諏訪之瀬島の噴煙をみると、それもうなずける。
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2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島
列島には人が住む7島と5つの無人島がある。周辺海域は潮の流れが速い航海の難所だ。亜熱帯と温帯が交差する島々には、コマドリに似た鳥で「森の妖精」といわれる国の天然記念物「アカヒゲ」や、西洋種の影響がない「トカラ馬」など、多様な生き物や植物がみられる。
ただ、今のトカラは、そんな自然以上に皆既日食の観測ポイントとして世界の熱い視線を集めている。太陽が月にすっぽり隠れる皆既日食が起こるのは来年7月22日。最も条件の良い悪石(あくせき)島では、人が生活する陸地で今世紀最長の6分25秒も観測できる。
■見たい!今世紀最長の皆既日食
トカラ列島にある諏訪之瀬(すわのせ)島の御岳(おたけ)中腹から島全体を見渡すと、まっすぐに伸びる滑走路が目に入った。島には1996年までリゾート施設があり、そのころは飛行場として使われていたそうだ。今でも年に1、2度、自家用機が降り立つ。
直線800メートルに及ぶ広大な敷地。来年7月22日の皆既日食の際には、ここも絶好の観測場所として利用されるという。
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2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島
皆既日食があれば、どこにでも出かけるような熱心なファンは世界中にいる。今世紀最長の皆既日食ともなれば、なおさら期待感が高まる。
もっとも、トカラの島々では民宿に泊まれる人数は少ない。テントで寝泊まりするしかない人も多そうだが、島にはコンビニも飲食店もない。電力や水の供給能力も住民の生活を満たす程度だ。必然的に、島が受け入れられる人数は制限される。
鹿児島県十島(としま)村と提携、トカラへの「皆既日食ツアー」の企画を委託された近畿日本ツーリストによると、全島合わせて最大で1000人のツアー客を募集する予定だという。
ただ、トカラ人気はやはり過熱していた。ツアーでは、仮設のシャワーやトイレ、電気などの経費を参加者の負担とするため、ツアー代金は30万〜40万円と割高になる見込みだが、それでもすでに1万人を超える希望者がいるそうだ。
■シーン3 大挙するツアー客に不安ぬぐえぬ島民
「『フェリーとしま』は午前8時、諏訪之瀬(すわのせ)島に向け平(たいら)島を出港しました」
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(上) 有数の活火山を擁する 自然の宝庫 (4/5ページ)
2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島
諏訪之瀬島で島内放送が流れると、島の人たちは慌ただしく港へ向かい始めた。30分もすれば船が到着し、食料品や日用品が届く。週2回のフェリー着岸日、港はにぎわう。人と荷物を下ろし、島を離れた村営フェリーは、汽笛を鳴らしながら次の寄港地、悪石(あくせき)島に向かった。
フェリーが2007年度に運んだ乗客は1万9777人、貨物量は1万1785トンに上る。本土と島々を結ぶフェリーは、トカラの人たちにとっての生命線だ。
島に入るにはフェリーを使うしかなく、この限られた交通機関が、来年7月に大挙して訪れるツアー客にも対応する。しかし、あらゆる面で観光インフラが不十分な中、大勢のツアー客が同時期に来ることで、島民の生活に支障が出ることへの不安はなかなか消えない。
ツアー客の受け入れ準備を進めている鹿児島県十島(としま)村は、ツアーの基本原則として、食事や水などの受益者負担だけでなく、住民生活や島の自然環境を守ることなどを強く求めている。(文・写真:写真報道局 古厩正樹(ふるまや・まさき)/SANKEI EXPRESS)
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【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島
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■トカラ列島 屋久島と奄美大島の間にある12島の総称。北端の口之島から南端の横当島(よこあてじま、無人)まで約160キロもある。人口は約650人で、主産業は畜産。トカラの名前の由来は、沖縄・奄美地方で沖の海原を意味する「トハラ」の派生説など諸説があり、はっきりとしない。
2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島 鹿児島県の屋久島と奄美大島の間を縫うように点在している小さな島々がある。“日本最後の秘境”とも称されるトカラ列島(鹿児島県十島(としま)村)。絶海の島々が織りなすトカラの自然は多くの人を魅了してやまず、来年7月には今世紀最長の皆既日食も観測される。そんなトカラ列島を7月に訪れた。今回の写真劇場では、3回にわたってトカラの夏をお届けしたい。
■シーン1
間近にみえる諏訪之瀬(すわのせ)島から勢いよく噴煙が出ていた。
トカラ列島は、霧島・屋久島火山帯に属する火山列島だ。その中心にある諏訪之瀬島の御岳(おたけ、799メートル)は、江戸時代の1813(文化10)年に大噴火を起こした。今も火山活動は盛んで、1956(昭和31)年の観測開始以来、毎年のように噴火を繰り返す日本有数の活火山である。
鹿児島からフェリーで6時間あまり。ようやく列島北端の口之島(くちのしま)に到着する絶海のトカラは漢字で「吐●(●=口へんに葛)■(■=口ヘンに剌)」と表記するが、古くは日本書紀で、火を吐く「吐火羅」とも記された。諏訪之瀬島の噴煙をみると、それもうなずける。
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(上) 有数の活火山を擁する 自然の宝庫 (2/5ページ)
2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島
列島には人が住む7島と5つの無人島がある。周辺海域は潮の流れが速い航海の難所だ。亜熱帯と温帯が交差する島々には、コマドリに似た鳥で「森の妖精」といわれる国の天然記念物「アカヒゲ」や、西洋種の影響がない「トカラ馬」など、多様な生き物や植物がみられる。
ただ、今のトカラは、そんな自然以上に皆既日食の観測ポイントとして世界の熱い視線を集めている。太陽が月にすっぽり隠れる皆既日食が起こるのは来年7月22日。最も条件の良い悪石(あくせき)島では、人が生活する陸地で今世紀最長の6分25秒も観測できる。
■見たい!今世紀最長の皆既日食
トカラ列島にある諏訪之瀬(すわのせ)島の御岳(おたけ)中腹から島全体を見渡すと、まっすぐに伸びる滑走路が目に入った。島には1996年までリゾート施設があり、そのころは飛行場として使われていたそうだ。今でも年に1、2度、自家用機が降り立つ。
直線800メートルに及ぶ広大な敷地。来年7月22日の皆既日食の際には、ここも絶好の観測場所として利用されるという。
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(上) 有数の活火山を擁する 自然の宝庫 (3/5ページ)
2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島
皆既日食があれば、どこにでも出かけるような熱心なファンは世界中にいる。今世紀最長の皆既日食ともなれば、なおさら期待感が高まる。
もっとも、トカラの島々では民宿に泊まれる人数は少ない。テントで寝泊まりするしかない人も多そうだが、島にはコンビニも飲食店もない。電力や水の供給能力も住民の生活を満たす程度だ。必然的に、島が受け入れられる人数は制限される。
鹿児島県十島(としま)村と提携、トカラへの「皆既日食ツアー」の企画を委託された近畿日本ツーリストによると、全島合わせて最大で1000人のツアー客を募集する予定だという。
ただ、トカラ人気はやはり過熱していた。ツアーでは、仮設のシャワーやトイレ、電気などの経費を参加者の負担とするため、ツアー代金は30万〜40万円と割高になる見込みだが、それでもすでに1万人を超える希望者がいるそうだ。
■シーン3 大挙するツアー客に不安ぬぐえぬ島民
「『フェリーとしま』は午前8時、諏訪之瀬(すわのせ)島に向け平(たいら)島を出港しました」
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(上) 有数の活火山を擁する 自然の宝庫 (4/5ページ)
2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島
諏訪之瀬島で島内放送が流れると、島の人たちは慌ただしく港へ向かい始めた。30分もすれば船が到着し、食料品や日用品が届く。週2回のフェリー着岸日、港はにぎわう。人と荷物を下ろし、島を離れた村営フェリーは、汽笛を鳴らしながら次の寄港地、悪石(あくせき)島に向かった。
フェリーが2007年度に運んだ乗客は1万9777人、貨物量は1万1785トンに上る。本土と島々を結ぶフェリーは、トカラの人たちにとっての生命線だ。
島に入るにはフェリーを使うしかなく、この限られた交通機関が、来年7月に大挙して訪れるツアー客にも対応する。しかし、あらゆる面で観光インフラが不十分な中、大勢のツアー客が同時期に来ることで、島民の生活に支障が出ることへの不安はなかなか消えない。
ツアー客の受け入れ準備を進めている鹿児島県十島(としま)村は、ツアーの基本原則として、食事や水などの受益者負担だけでなく、住民生活や島の自然環境を守ることなどを強く求めている。(文・写真:写真報道局 古厩正樹(ふるまや・まさき)/SANKEI EXPRESS)
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(上) 有数の活火山を擁する 自然の宝庫 (5/5ページ)
2008.8.19 19:50
【写真劇場】かつてリゾート施設があったころは「飛行場」だった諏訪之瀬島場外離着陸場。視界を遮ることのない滑走路は、皆既日食の観測に最適だ=7月、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島
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■トカラ列島 屋久島と奄美大島の間にある12島の総称。北端の口之島から南端の横当島(よこあてじま、無人)まで約160キロもある。人口は約650人で、主産業は畜産。トカラの名前の由来は、沖縄・奄美地方で沖の海原を意味する「トハラ」の派生説など諸説があり、はっきりとしない。






















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