【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(中) 満点の星空も、眺める子供の宝物
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(中) 満点の星空も、眺める子供の宝物 (1/4ページ)
2008.8.20 18:07
【写真劇場】竹竿で海面を叩きながら魚を網に追い込む子供たち=7月、鹿児島県十島村の口之島(古厩正樹撮影) 満天の星が夜空を覆いつくしていた。流れ星が一瞬のきらめきをみせるたびに、海辺に腰を下ろした子供たちの歓声が上がる。トカラ列島(鹿児島県十島(としま)村)の玄関口、口之島(くちのしま)の小・中学校で行われた7月の臨海学校で、子供たちは身近にある大自然を思う存分に満喫した。
トカラ列島では口之島を含め7つの島に人が住んでいる。人口は約650人。日本全国にある多くの離島と同様、トカラ列島でもやはり子供の数は少ない。7つの島には、それぞれ1校ずつ小・中学校を併設した学校があるが、各校の児童・生徒数は4〜12人だ。
通学者がゼロになると、まずは休校となる。さらに再開の見込みがなければ廃校だ。学校がなくなると、運動会や遠足など島民が参加する行事もなくなるし、教職員とその家族は島を去って過疎化に拍車がかかる。学校の存続は、地域社会の維持とも不可分な関係にある。
トカラ列島には高校がないため、中学を卒業した子供たちは親元を離れる。今年春には全島で9人が中学を卒業し、“15の春”の「船出」をした。自然の宝庫、トカラの人々にとっては子供たちもまた島の宝だ。しかし、絶海の離島に戻ってくる子供はごくわずかしかいない。
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(中) 満点の星空も、眺める子供の宝物 (2/4ページ)
2008.8.20 18:07
【写真劇場】竹竿で海面を叩きながら魚を網に追い込む子供たち=7月、鹿児島県十島村の口之島(古厩正樹撮影)
■シーン2 学校・島民一丸で「島でしかできない授業」
トカラ列島・口之島の海辺に子供たちの楽しげな声が響きわたった。口之島小・中学校で行われた臨海学校。子供たちは海面上に連なるサンゴの環礁(かんしょう)の間を泳ぎ回り、目をつけた魚を追いかけていく。この日のメーンイベント、「追い込み漁」の体験教室のひとこまだ。
追い込み漁とは、サンゴの環礁に網を設置し、その網に向かって泳いだり、水面を竹竿(たけざお)で叩(たた)いたりしながら、魚を網に追い込んでいく漁である。
今年4月、口之島小・中学校の校長に着任したばかりの日高松行(ひだか・まつゆき)さん(56)が「島でしかできない体験をしてほしい」と考え、島民の協力を得て臨海学校のプログラムに組み入れた。
捕った魚は早速、バーベキューで焼かれ、その日の晩ごはんのおかずに。小学4年の永田征也君は「自分で捕って自分で焼いた魚はおいしかった」と満面の笑みをこぼした。
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(中) 満点の星空も、眺める子供の宝物 (3/4ページ)
2008.8.20 18:07
【写真劇場】竹竿で海面を叩きながら魚を網に追い込む子供たち=7月、鹿児島県十島村の口之島(古厩正樹撮影)
日高さんは口之島で生まれ育った。「昔は口之島にも砂浜があったが、接岸港ができたころに失われてしまった。また、私が通っていたころは1学年20人ほどおり、泳ぎは先輩から習うものだった」と振り返る。
1977(昭和52)年にも教諭として口之島に赴任したが、子供たちがほとんど泳げないことに驚いたという。日高さんは校長してだけでなく、島の先輩として子供たちを育てている。
■シーン3 「集団登校」で深まるつながり
午前7時過ぎ。学校で覚えたばかりの詩や九九を声を上げながら登校する子供たち。島民に会えば「おはようございます」と元気なあいさつが響く。口之島の朝を告げる風景だ。
「子供たちがもっと島民と触れ合えるようにしたい」
口之島小・中学校の日高松行(ひだか・まつゆき)校長はそう考えて、4月の着任早々、子供たちの集団登校を始めた。
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(中) 満点の星空も、眺める子供の宝物 (4/4ページ)
2008.8.20 18:07
【写真劇場】竹竿で海面を叩きながら魚を網に追い込む子供たち=7月、鹿児島県十島村の口之島(古厩正樹撮影)
口之島の真ん中には前岳(628メートル)や横岳(501メートル)などがあり、坂も多い。このため以前の小・中学校では、自家用車による子供たちの送迎が当たり前の光景だった。
現在、口之島小・中学校の在校生は児童と生徒を合わせて5人しかいない。ただでさえ人数が減少しているのに、これでは人と人とのつながりが希薄になる一方だ。そんな危機感から始めた集団登校だった。
「一人ひとりの個性を伸ばすことが大事だと教育現場でよく言われますが、これほど実感したことはありません」と日高校長は話す。
トカラの大自然に包まれながら、子供たちが日々、島の宝としての輝きを増している。(文・写真:写真報道局 古厩正樹(ふるまや・まさき)/SANKEI EXPRESS)
2008.8.20 18:07
【写真劇場】竹竿で海面を叩きながら魚を網に追い込む子供たち=7月、鹿児島県十島村の口之島(古厩正樹撮影) 満天の星が夜空を覆いつくしていた。流れ星が一瞬のきらめきをみせるたびに、海辺に腰を下ろした子供たちの歓声が上がる。トカラ列島(鹿児島県十島(としま)村)の玄関口、口之島(くちのしま)の小・中学校で行われた7月の臨海学校で、子供たちは身近にある大自然を思う存分に満喫した。
トカラ列島では口之島を含め7つの島に人が住んでいる。人口は約650人。日本全国にある多くの離島と同様、トカラ列島でもやはり子供の数は少ない。7つの島には、それぞれ1校ずつ小・中学校を併設した学校があるが、各校の児童・生徒数は4〜12人だ。
通学者がゼロになると、まずは休校となる。さらに再開の見込みがなければ廃校だ。学校がなくなると、運動会や遠足など島民が参加する行事もなくなるし、教職員とその家族は島を去って過疎化に拍車がかかる。学校の存続は、地域社会の維持とも不可分な関係にある。
トカラ列島には高校がないため、中学を卒業した子供たちは親元を離れる。今年春には全島で9人が中学を卒業し、“15の春”の「船出」をした。自然の宝庫、トカラの人々にとっては子供たちもまた島の宝だ。しかし、絶海の離島に戻ってくる子供はごくわずかしかいない。
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(中) 満点の星空も、眺める子供の宝物 (2/4ページ)
2008.8.20 18:07
【写真劇場】竹竿で海面を叩きながら魚を網に追い込む子供たち=7月、鹿児島県十島村の口之島(古厩正樹撮影)
■シーン2 学校・島民一丸で「島でしかできない授業」
トカラ列島・口之島の海辺に子供たちの楽しげな声が響きわたった。口之島小・中学校で行われた臨海学校。子供たちは海面上に連なるサンゴの環礁(かんしょう)の間を泳ぎ回り、目をつけた魚を追いかけていく。この日のメーンイベント、「追い込み漁」の体験教室のひとこまだ。
追い込み漁とは、サンゴの環礁に網を設置し、その網に向かって泳いだり、水面を竹竿(たけざお)で叩(たた)いたりしながら、魚を網に追い込んでいく漁である。
今年4月、口之島小・中学校の校長に着任したばかりの日高松行(ひだか・まつゆき)さん(56)が「島でしかできない体験をしてほしい」と考え、島民の協力を得て臨海学校のプログラムに組み入れた。
捕った魚は早速、バーベキューで焼かれ、その日の晩ごはんのおかずに。小学4年の永田征也君は「自分で捕って自分で焼いた魚はおいしかった」と満面の笑みをこぼした。
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(中) 満点の星空も、眺める子供の宝物 (3/4ページ)
2008.8.20 18:07
【写真劇場】竹竿で海面を叩きながら魚を網に追い込む子供たち=7月、鹿児島県十島村の口之島(古厩正樹撮影)
日高さんは口之島で生まれ育った。「昔は口之島にも砂浜があったが、接岸港ができたころに失われてしまった。また、私が通っていたころは1学年20人ほどおり、泳ぎは先輩から習うものだった」と振り返る。
1977(昭和52)年にも教諭として口之島に赴任したが、子供たちがほとんど泳げないことに驚いたという。日高さんは校長してだけでなく、島の先輩として子供たちを育てている。
■シーン3 「集団登校」で深まるつながり
午前7時過ぎ。学校で覚えたばかりの詩や九九を声を上げながら登校する子供たち。島民に会えば「おはようございます」と元気なあいさつが響く。口之島の朝を告げる風景だ。
「子供たちがもっと島民と触れ合えるようにしたい」
口之島小・中学校の日高松行(ひだか・まつゆき)校長はそう考えて、4月の着任早々、子供たちの集団登校を始めた。
【写真劇場】「日本最後の秘境」トカラの夏(中) 満点の星空も、眺める子供の宝物 (4/4ページ)
2008.8.20 18:07
【写真劇場】竹竿で海面を叩きながら魚を網に追い込む子供たち=7月、鹿児島県十島村の口之島(古厩正樹撮影)
口之島の真ん中には前岳(628メートル)や横岳(501メートル)などがあり、坂も多い。このため以前の小・中学校では、自家用車による子供たちの送迎が当たり前の光景だった。
現在、口之島小・中学校の在校生は児童と生徒を合わせて5人しかいない。ただでさえ人数が減少しているのに、これでは人と人とのつながりが希薄になる一方だ。そんな危機感から始めた集団登校だった。
「一人ひとりの個性を伸ばすことが大事だと教育現場でよく言われますが、これほど実感したことはありません」と日高校長は話す。
トカラの大自然に包まれながら、子供たちが日々、島の宝としての輝きを増している。(文・写真:写真報道局 古厩正樹(ふるまや・まさき)/SANKEI EXPRESS)






















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